企画は現在ないモノやコトを生み出す計画です。そのため、既存の製品では対応できない、あるいは非常にコストが掛かる場合に出くわす場面が増えてきます。この場合、DIY(Do It Yourself:自分で製作などをやること)という選択肢を取ることになりますが、技術がなければDIYはできません。
この企画では、様々な企画で必要になる汎用的な技術情報を集約し、知識ゼロの人でもそれなりのDIYができるようになることを目指します。
この企画で最も重要なのは、<fc #ff0000>「小さな技術」を集めること</fc>です。小さな技術ならば他の技術と自由に組み合わせることで様々なことに利用できます。つまり、「汎用性」があります。
レゴブロックを例にして考えてみましょう。小さな技術は小さなブロック、大きな技術は大きなブロックと考えられます。小さなブロックを組み合わせて大きなブロック1つと同じ形を作る場合、複数種類の小さなブロックを使うことで多彩な色が混ざった形を作ることができます。しかしながら、大きなブロックだと色の組み合わせは1種類しかありません。このように、大きなブロックは「カスタマイズ」に向かず、汎用性に乏しいと言えます。
また、小さなブロックの場合、造形の自由度が高まります。一部分に穴を設けることもできますし、とある方向に突き出した形を作ることもできます。作ることができる形は「大きなブロックと全く同じ形」だけではありません。小さなブロックは汎用性に優れているのです。
ただし、小さな技術を使う場合は重要なことがあります。それは、「他の技術と組み合わせやすいこと」です。
レゴブロックで考えましょう。レゴブロックは、とあるブロックの上に別のブロックを乗せ、その上に別のブロックを乗せるということが簡単にできます。レゴブロックはすべてのブロックで共通の凸凹を持っているため、どんなブロックの組み合わせもできるのです。
では、この凸凹が共通でなかったらどうでしょう。AのブロックはBのブロックとしか組み合わせることができない。BのブロックはCのブロックとDのブロックと組み合わせることができるが、Eのブロックとは組み合わせられない、などであればとても使いにくくなります。
そのため、小さな技術は他の技術との組み合わせやすさを重要視しなければなりません。どんなに素晴らしい技術であっても、他の技術との組み合わせが難しければ、使い道は限られてしまいます。
小さな技術は理解しやすいです。そして、1つ1つの小さな技術を解説したWebサイトを作成することで、知識ゼロの人でも多くのことができるようになります。
これは技術を次代へ伝える、技術伝承にも役立ちます。これまでは、技術が進展していった戦後時代を生きてきたベテランの存在がいましたが、これからの時代は技術を「1から10まで知っている」人材が減っていきます。
こうなると、8から10まで知っているような若者では1から7の部分には触れることができず(ブラックボックス)、1から7に起因するトラブルが起こった場合に対処できなくなります。こうなると、現在の技術水準が維持できなくなる恐れがあります。
DIY向けに1から10までの情報を集約することは、その専門分野の若手やこれからその分野に進む人たちの「基礎知識」となります。こうして、現在の世代が所有している技術をきちんと次の世代に伝えることができます。